生活環境は毒まみれ

 テレビのチューナーを手で直接回してチャンネル切替をしていたものが、リモコンに変り本格的に普及したのは昭和50年代後半だった。
 それと軌を一にして、肺に陰ができたとか、かすれ声になった患者が散見された。その原因はリモコンの疑いもあったが、リモコンの赤外線発光ダイオードの点滅で病気になるなら、たばこに火を付けたり直射日光に当れば即死するはずだと私は笑っていた。

 五月の連休明けのある時、近所に住む小学校入学前の男の子が来た。病院の検査結果によれば、白血病だという。
 リモコン操作のテレビにいつ取替たのか問うと、三月のお彼岸だとのこと。
 現在のテレビはリモコン操作が前提になっているが、この頃のテレビは、本体に直接触って操作も出来た。そこで、リモコンを取上げ様子を見た。
 一週間後に、白血病は完治した。無論、20年以上経過した今も元気に生活している。
 この件を井深さんに話すと驚き、直ちに三人の技術者をこちらに派遣した。
 専門家の意見を聞いて分ったことだが、発光ダイオードの点滅は、世界中のメーカーの間で決めたコードに従っており、ソニーだけの都合で勝手にコードは変られないという。
 幸いにして、それから程なく、リモコンの毒も簡単に除去できる方法を発見した。

 かくして、赤外線の点滅で機能しているリモコンの害は除去できたのだが、パソコンの害はなにが原因なのか、いまだに分らない。それでも、無害化する方法だけはできた。
 私事になるが、私はワープロやパソコンに二三時間触れていると、どんどん血痰が出はじめるし、マウスを持つ右手がこわばり、声もかすれた。
 必要は発明の母と言う。あれこれの思案の果に、簡単なことで血痰や手のこわばりなどが除去できた。やれやれ先ずは目出度し。



 地元の信用金庫本店に務める女性は、乳癌の集団検診で引っかかり、精密検査で手術を勧められ、周昌院事務所に駆込んだ。
 癌は簡単に消えたが、パソコンで悩んでいた。肩は凝るし、疲目がひどく、手がしびれると打明けた。そこで、ちょっとした仕掛けを施したボール紙を渡し、キーボードの下とマウスパットの下に敷くように教えて帰すと、一週間後にはニコニコ顔で現れた。
 彼女の部屋には個人専用のパソコンの外に、みんなで使うものも部屋の隅に置いてあると言う。そのパソコンのキーボートとマウスの下にも、同じおまじないを施したボール紙を、誰にも気づかれないようにそっと仕掛けた。
 それまで殆ど利用者のなかったパソコンが、一週間後には順番待になるほどで、人の出入りが俄に激しくなり、その存在が鬱陶しくなったと言う。
 そこでまた、黙ってボール紙を取りのけると、一週間後にはもとの静かな職場になった。



 携帯電話(ケータイ)が登場して間もない頃、中小企業の社長が現れた。夫人はどこの具合が悪くてもすぐ来るのに、夫が来るとは珍しい。
 聞けば、左腕が肩の高さまでしか上がらなく痛むと実演してみせる。
 その上で、左の内ポケットから「これかしら?」と当時は60万円もする分厚いケータイを取出して見せた。
 それを机の上に置き左手を挙げて貰うと、難なく真っ直ぐ上に挙る。ケータイをポケットに戻せば、肘は肩の高さで止り、ポケットから元の机の上に置けば、二の腕は苦もなく耳に付く。
 社長は苦笑いして「これがあるから社長で、なかったらタダのお爺さん」と思案顔。
 私が電池ケースの蓋裏におまじないの品を付けると、ポケットに収めても腕は支障なく動く。 おまじないを施した裏蓋を外してポケットに入れれば、肘は肩の高さで止る。
 その上、こんなおまじないで電話が明瞭になるだけでなく、電波が弱くて聞こえなくなっても切れないし、平素は繋がらないところでも使えるようになる不思議な仕掛だ。
 あまりの嬉しさに、お布施を払うのも忘れて飛ぶように帰り、後から来た夫人は大笑いしながら平身低頭。



 放電式ガス点火装置と言っても、現今のガス点火は殆ど全部がこのタイプである。放電距離から察するに、台所のガスコンロは1万5千ボルトぐらいで、たばこのパッチンライターは7千ボルト前後の放電電圧だろう。
 これが悪さをしているとは、だれも気がついていない。しかし、相当のワルだと私は思っている。
 手動で火花を飛ばす、圧電式点火装置の瞬間湯沸器の時代。火の着きが悪く、五、六回カチャカチャしないと種火に点火しなく、腎臓の悪くなった主婦が二人と、乳児が原因不明の虚弱体質と言う人が、ほとんど同時に現れた。
 腎臓疾患の一人は、医者に見放されたが、私の助言を採入れて落命を免れた。それ以前、この人はリューマチが縁で周昌院事務所に来て、簡単に治っていた。
 もう一人は医療過誤もあり、不帰の人になった。
 虚弱児の母は民宿の主婦で、ガスコンロの火の着きが悪く、五、六回カチャカチャしないと点火しなかった。
 この人には、生後半年になる赤ちゃんが居たが、赤ちゃんとは名ばかりで、実態は青白ちゃんの虚弱児だった。
 医者に診せても、どこも悪くないと言うが、毎日十回以上も引きつけを起こすし、食も細かった。
 周昌院方式の森林浴を五分ほどさせると、全身に貯まった毒が抜けたのであろう、即座に元気を取り戻した。
 放電式ガス点火装置の毒が、母乳を変質させ、乳飲み子を虚弱児にしたとしか考えられない。
 ガスコンロを一発で着火するものに取替ると、以後はなにごともなかったように元気に暮している。



 被害は人間だけにとどまらず、豊川稲荷門前の食堂で飼っていた大きな犬にも及んだ。これは多分、圧電素子を電気的に叩く方式やネオントランス方式などで、湯を使う都度自動点火する瞬間湯沸器で、その下に犬が繋がれていた。
 首輪から下の毛が全部抜けたみじめな姿で、因幡の白ウサギならぬ稲荷の赤裸犬だった。むろん獣医の手には負えなかった。
 この瞬間湯沸器に、周昌院の厄除をセットして問題は一挙に解決し、たちまち元通りの姿になった。
 この有様は、門前の住人ならみんな知っている。



 細かいことを取上げればまだまだあるが、知らず知らずの間に毒にまみれた生活を続けた結果、病気が次第に顕在化するのだろう。だから、人の手で作られたと思われる病気が多い。
 人工的に作られた物が原因で病気になるのなら、人の手で原因物質を無害化したり、除去するのが病気を追払う早道であるし、なにが毒かと分れば、医者の治療法も合理的になるはずである。
 卑近な例では、たばこが肺癌の原因物質だと本気で思っている学者は少ないと思うが、それでも肺癌の原因はたばこだと信じている人も多い。
 そもそも昭和20年以前には、世界中に肺癌は存在しなかったことを理解しなければならない。当時のたばこは、現在の物よりニコチンもタールもはるかに多いのに、それでも地上に肺癌はなかった。
 あってもそれは中皮腫で、これは石綿が原因物質だから除外して考えていい。
 副次喫煙者(たばこを吸わない人)は、喫煙者の30倍も肺癌になる率が高いとの説に、驚く人と、いい加減さにあきれる人がある。
 もしこの説が正しいのなら、喫煙すれば肺癌になる確率は1/30になると言うことだ。肺癌になりたくなければ、たばこを吸いましょうと喫煙を奨励している矛盾にどうして気がつかないのだろう。
 山極勝三郎の発癌実験では、兎の耳に570日余もタールを塗り続けて癌を作った。このタールの量や期間が非常識なほど多く長期なだけでなく、「お茶だけを塗った兎や、卵だけ塗った兎も癌になった」が、発表ではなぜかお茶と卵のことは伏せていたという。
 台所で、ガスをパチパチして火を点ける主婦が、どんなに多くの毒を取込んで、自然治癒力を低下させているのか、考えたことがあるのだろうか。
 それを無視して、統計的には、副次喫煙者は喫煙者の30倍も肺癌になる危険性があると声高に叫ばれても、私は同意しかねる。

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